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大会長挨拶

宮岡 等
北里大学医学部精神科学 主任教授
スポーツ精神医学の活かし方
~さらなる発展のために~

  第14 回日本スポーツ精神医学会総会・学術集会を会長として担当し、2016 年9月2 日(金)、3日(土)、4日(日)に北里大学白金キャンパスで開催することになりました。開催にあたりましてご協力、ご尽力をいただきました皆様に心より感謝申し上げます。

 本学会の設立においては「①スポーツの精神医学への応用」、「②精神医学のスポーツへの応用」を2本の柱として、「③身体運動と脳機能の基礎的な研究」を組み入れ、これら三つの有機的な関係が強調されております。そしてスポーツと精神医学の関係を包括的に捉える医学分野として「スポーツ精神医学」を位置づけ、研究を振興していくことが謳われております。第14回となる本大会のテーマは、「スポーツ精神医学の活かし方 ~さらなる発展のために~」としました。スポーツ精神医学という学問領域をスポーツの現場や精神科臨床、ひいては社会の中で、どう根付かせて活用していくか、本学会ではこのあたりの議論を深めたいと考えています。

 

 本学会は、精神科医だけではなく、様々な科の医師、心理士、作業療法士、運動療法士、体育分野の専門家、スポーツ指導者など、多職種の会員が在籍していることが特徴であり、今大会でも様々な立場からの発表が予定されております。たくさんのご応募をいただいた一般演題をはじめ、教育講演「アスリートがギャンブルにのめり込むのは本当に心が弱いからなのか?」、シンポジウム「スポーツの力を再発見する ~精神・知的障がいスポーツの今後~」、特別講演として全盛期に判明した腎臓がんから復活を果たした元プロレスラーの小橋建太氏による「腎臓がんからの奇跡の復活 ~この一瞬を大切に生きる~」、招聘講演ではビジネス界出身者として初めてJリーグチェアマンに就任し数々の改革を成功させてきた村井満氏の講演があり、大変充実したプログラムを組むことができました。昼食時間は有効に活用したいと考え、食事を持ち込んでいただける会場にて講演を聴いていただくことを予定しております。懇親会はできるだけ参加費を抑え、軽食と飲み物程度にして多職種の交流の場にできたらと考えています。

 

 会場の北里大学白金キャンパスは、北里柴三郎が1893年に我が国初の結核専門病院「土筆ヶ岡養生園」を開設し、その後1914年に北里研究所を創立した地にあります。北里大学は2012年(平成24年)に創立50周年、北里大学の母体である北里研究所は2014年(平成26年)に創立100周年を迎えました。2015年10月5日、北里大学特別栄誉教授の大村智博士が「線虫感染症の新しい治療法の発見」の功績にてノーベル生理学・医学賞を受賞するとの第一報が発表されましたが、その緊急記者会見が開かれた場所が、今回の会場となるコンベンションホールであります。会場前には大村博士の功績の展示などもありますので是非ご覧ください。

 リオオリンピック・パラリンピックの開催とも重なり、スポーツへの関心が一段と高まっている時期の開催になります。みなさまの参加を心からお待ちしております。

        第14回日本スポーツ精神医学会総会・学術集会 会長

  宮岡 等(北里大学医学部精神科学主任教授、北里大学東病院院長)

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